模擬国連 Q&A

Question & Answer-模擬国連Q&A-

【質問コーナー】
Q.模擬国連の楽しみって何ですか?
A.人によっていろいろだと思いますが、アカデミックな点では、一つの視点(出身国の価値観)ではなく、シミュレーションを通じて自分のアイデンティティのない国の歴史的、構造的な文脈にたってグローバルアジェンダ(世界的課題)を見ることができること、レビューの時間を通じて、他者の意見を知り、多角的な視点が持てること、問題の本質、何が対立を導いているのかが分かる点などがあるでしょう。またスキルアップと言う点では、会議における交渉などを通じてリーダーシップ能力やハーバード交渉術などの戦略の実践の場になりますし、また英語でのスピーチの練習の場、さらには人前で意見を言うパブリックスピーキング能力向上の場にもなるでしょう。ただなによりも模擬国連活動で楽しいのは人だと思います。国際協力に対して真剣に考えている人が大学を超えて集まるので話していてとても楽しいですし、刺激になります。OBOGには外交官や国連職員、NGOスタッフが多くいるので、OBOG会などでの現場の話しを聞くこともとても刺激的です。一生付き合いたいと思える仲間に合える場所ですね。

回答者:鈴木洋一(2008年)

Q.通常の会議以外に何かしますか?
A.各団体によって異なりますが、年4回行われる全国大会があり、そこで日本中の模擬国連をしている大学生、高校生と交流をもったり、さらにはOBOG会で第一線で働いているOBOGの方と交流の機会をもったりしています。関東では秋に模擬国連団体が集まって運動会を行なったりもしています。また一部の団体によっては海外の大会に参加したりしています。

回答者:鈴木洋一(2008年)

Q.国連にも言える事なんですが、会議を行ない、決議を採択する意義って何でしょうか?
A.良い質問ですね。以下はあくまで私見ですが・・・。国際連合、特に模擬国連活動で多く行なうのが総会に関する模擬会議です。ご存知のように総会で採択される「決議(Resolution)」には一般的に法的拘束力がなく、道義的な意味、つまり国際社会の意志という意味合いしかないとの指摘を良く受けます。それでは総会における決議は本当に意味がないものでしょうか?
この質問を答える前にルールとその策定者(ルールメーカー)に関して考えてみるといいと思います。第二次世界大戦以降の国際的な貿易体制のルール作りで常にリードしてきたのはアメリカ合衆国です。そしてその後の数十年間、アメリカは経済的な繁栄を享受してきました。簡単に言えば、ルールはその策定を行なった者に有利に働くものなんですね。
何が言いたいかといえば、毎年、総会において採択される決議もそれが繰り返されることによって、数年後、数十年後には国際法となって国際社会のルールになるかもしれない。つまり会議で行なっている一見、地味に見える文言(決議の文章)に関する議論は将来の覇権、イニシアティブに関する戦いでもあるんですね。よって、決議を採択する意義は将来の担当国の利益にかなうというわけです。

回答者:鈴木洋一(2008年)

Q.大使にとって会議の目的って何でしょう?
A.これまた私見ですが、私は以下のことだと思います。議題に対する担当国の国益の最大化と不利益の最少化であると。そのために、会議ではどういったゴールに導くべきかの戦略が必要となるのですね。担当する国の情報と共に、会議における関係国の状況を考えて、いかにして担当国の利益を守り、促進するかが求められるわけです。

回答者:鈴木洋一(2008年)

Q.私は国際交流系の団体と模擬国連のどちらに入ろうか迷っています。模擬国連は国際協力に繋がるのでしょうか?
A.まず、どちらか一つではなく、二つとも入ってしまう事も考えてもいいと思いますよ。現に私は複数の団体に入っていますし、そう言うひとも多くいます。また模擬国連は基本的に二年間で活動は終わるので3年から現地を訪れる様な活動をするというのも一つの手だと思います。
これまで多くの国際協力団体の方とお話をした事がありますが、自分の価値観を強要するタイプの人がいます。でもそれって本当の意味で国際協力ではないと思います。「自分達がただしと思っている事」を盲目的に信じるのって怖いですよね。開発の話で、現地の人の幸せを願って工業化支援をした結果、公害や環境破壊で自然が壊されたり、教育支援の名目で学校を作ったものの、現地の人が維持出来る様式ではなく、数年後には廃墟になるという話はよく聞きます。
私は模擬国連の最大のメリットは他者の思想とその背後にある文脈をシミュレートを通じて学ぶことができるところにあると思います。これから国際協力をするうえでそうした感覚って本当に必要になると思います。逆を言えば、そうした感覚を得られたのであれば模擬国連を去ってもらってもいい気がします。模擬国連活動の理念は、「将来、社会に貢献出来る人材の育成」にあるので、自分達の活動の継続よりも世界が社会がよりよくなるのであれば、それはそれでいいと思います。
最後に、模擬国連活動が国際協力に繋がっているかと言う事ですが、これまた私見ですが、模擬国連活動は民主主義国家において、国際協力に関して実質的に学生の出来るだと思います。
民主主義国家において、直接、間接の違いはあれ、国民の多数派の意見が国の政策に反映されるシステムになっています。すなわち、より多くの国民が国際協力に関心があれば、国の政策として国際協力に積極的になると私は考えています。そして模擬国連活動は、その活動を通じて、参加者に問題意識の提起を行ない、より問題を身近に、当事者意識をもたせます。私は模擬国連活動を通じて、より多くの学生が国際協力に関心を持ってもらい、そうした人々が数十年後、社会で主導的な立場を取ることになった際に社会は変わると考えています。
また模擬国連はシミュレーションを通じて参加者のハートに問題の深刻さが響きます。それは会議を通じて、問題の複雑性を感じるからだと思います。模擬国連を行なう意義として、そうした啓発的な意味も大きいと思います。OBOGには模擬国連会議で触れた議題がきっかけとなり、将来、国連職員やNGOスタッフになった方も多くいます。
国際協力団体の中には途上国に行ってボランティアを行なう団体もあります。一人一人の経験や現地の人への心理的作用としては良いと思いますが、開発の費用対効果の面のみを考えるのであれば、現地人を雇用した方が地域の経済は活性化すると私は思います。(もちろん心理面での現地ボランティアはかなり重要ですし、日本のユースNGOでもいくつかの団体は世界的に見てもかなり良い活動をしていると思います。)
 ここまで長く話しましたが、模擬国連には型式的に向き不向きもありますし、一度(出来ればレビューまで)参加してみて、楽しくなかったら辞めると言うのがいいのではないでしょうか。

回答者:鈴木洋一(2009年)

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